約1ヶ月ぶりの新作、ミステリースペシャル唯一のアニメオリジナルストーリーです。
今回、脚本を担当された金子裕さんは、「名探偵コナン」のメインライターである古内一成さんと同じく、刑事ドラマを数多く手がけている方で、お二方とも「太陽にほえろ!」のメインライターも務めていらっしゃいました。
5年前の「法廷の対決シリーズ」も良く凝ってある話でとても面白く、九条玲子というオリジナルキャラクターを用いて、法廷を舞台にした事件を作り上げるという発想は見事だなあと思いました。
そんな「法廷の対決シリーズ」の3作目ですが、過去の2作に引けをとらない見応えのある作品でした。
今回は、妃弁護士と九条検事が真っ向から対決するというのではなく、九条検事が犯人に利用されてしまい、いつもより弱気な所を妃弁護士と共に真相を究明するという形で、二人の人間関係も当初より徐々に変化しています。
他にも、亡くなった過去の上司など、九条さんについて深く掘り下げられていたのも良かったと思います。
そして、何と言っても法廷でのシーンは緊張感があっていいですね。「名探偵コナン」の雰囲気とも相性抜群だと思います。犯人を追い詰めていくシーンは爽快でした。
事件自体は金銭のトラブルによるものという、世相を反映するようなものでしたが、金に執着する人間の狂気が感じられました^^;
話の構成も、場面を変えたりする事などで中だるみを感じさせず、浩明さんの死亡などで緊張感を持続させている点など力の入れようを感じました。
作画は、久々に登板した宍戸さんの修正のおかげで随分と良い作画でした。それと、劇場版監督の山本さんの演出は、九条検事のバッシング報道の所や、鳥が羽ばたく所などが印象的で、良く動くカメラワークも良かったです。
でも、どうして九条検事のデザインを変えてしまったんだろう(後日追記:東京ムービーのブログによると、九条検事の心情の変化を表現する為に書き起こしたそうです)。
とにかく、最近のアニメオリジナルの中では断トツの面白さで、これからもこんな作品が観られることを期待します。
サブキャラクターデザイン:佐々木恵子
総作画監督:宍戸久美子 / 作画監督:小林一三、小笠原理恵
脚本:金子裕
絵コンテ:山本泰一郎
演出:山本泰一郎
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各話制作スタッフリスト